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ラスクを用いた防音計画例 更新日 2007/06/21



製薬会社内にある薬品粉砕作業室の防音。
粉砕時、かなりの騒音が発生するため、作業室の防音処理にラスクを使用しました。

薬品を扱うので、グラスウール等の繊維系吸音材を使わないことが条件です。



静岡県にある工場内に防音室を設置するにあたり、「鋳鉄ラスク」を遮音材として用いた。 事前の調査の後、防音計画を提案した。防音室は、粉砕作業室内に設置された大きな騒音を発生する「粉砕機」 を囲むように計画した。施工は、常駐しているゼネコンが担当し、完工後、防音室の遮音性能を確認した。




「粉砕機」「篩過機」が設置された「秤量室」の平面図を図1に示す。P1〜P7は、測定点を表す。
事前調査として「粉砕機」「篩過機」を共に稼動させた場合、「篩過機」のみを稼動した場合の騒音を測定した。結果を表1に示す。




防音計画にあたり、施主、施工業者から以下の要望があった。

  1. 設置される防音室内および秤量室内は、飛散防止のため、壁表面にグラスウール等の繊維系吸音材の使用禁止。
  2. 「粉砕機」の稼動状況を目視できるように1×2mの高強度(ガラス以外・飛散防止)の窓の設置。
  3. 「粉砕機」の移動を考えて、両開き扉の設置。

 事前調査の結果、これらの要望から、図2に示す防音設計を行い、図3の通り施工された。 防音室設置後の測定点P2での騒音予測値を78dB(C)と推定した。





図4に測定点、表2に施工前、後の測定値を示す。




  • 秤量室内にある測定点(P2〜P5)では、施工前に比べて、施工後は20〜22dBの低減量となった。
  • 測定点P2での施工後の測定値は79dB(C)となり、目標値はほぼ達成された。
  • 粉砕機(騒音源)の騒音は施工前に比べ、8dB上昇したが、これは、防音設計時に比べ施工時に防音室がかなり狭くなったこと、 防音室内に通常の吸音処理が出来なかったことによる。
  • 遮音量としては、28〜30dB程度得られた。