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ラスクを用いた音場調整例 更新日 2007/06/21
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京都駅ビル室町小路広場の屋外ステージの改修に伴い、 ステージ上の天井面、後壁面、側壁面、床面、全てのパネルにラスクが用いられました。
室町小路広場では、大階段に多くの観客を集めて、様々な音楽イベントが開催されています。
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反射板(防音壁)となる天井面、後壁面、側壁面には、音場調整と遮音用にアルミニューラスクと合板を用いました。
ステージ後方への音の透過、伝播を防ぐと同時に、ステージ前方(客席)に調整された演奏音を送り出します。

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舞台床面には、遮音性、振動防止用として、鋳鉄ラスクを合板床材に裏打ちしました。
剛性の高い舞台にすることによって、振動の影響を低減し、しっかりとした演奏音となります。

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ステージの後方にはJR京都駅の中央コンコースがあり、常時、電車の発着等を知らせるアナウンスが流されています。また、多くのお客さんが往来する場所でもあります。
音響設計におきましては、ステージで発生する大きな音が、できる限り中央コンコースへ伝わらないようにすることを第一に計画しました。表のようにステージ上に上記パネルを設置することによって、5〜6dB(デシベル)の減衰が得られました。
ラスクの素材が持っている遮音性能、吸音性能、振動吸収性能と、音響計算を基にしたパネルの形状や設置方法によって、 十分な成果が得られました。
音のステージ後方への伝播の様子は、下図をご覧ください。  

 
騒音レベルの
測定結果
全てのパネルが
ない場合(dB)
天井のパネルが
ない場合(dB)
減衰値(dB) 全てのパネルが
ある場合(dB)
減衰値(dB)
中央コンコース
改札口付近
77 75 71
中央コンコース
中央付近
77 74 72

注) 減衰値は、「全てのパネルがない場合」に対する値です。
 



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音源から発生した音は、コンコースの天井、壁等あらゆる方向に 広がり、大きな直接音・反射音となる。


注)
直接音: ステージで発生した音が、どこにも反射せずに直接測定点に到達する音。
反射音: ステージで発生した音が、天井や壁に反射して測定点に到達する音。

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音源から発生した音の一部は、後壁、側壁パネルによって遮音され、回折音となるが、 天井パネルがないため、音の多くはコンコースに広がり、大きな反射音となる。


注)
回折音: ステージで発生した音が、後壁、側壁パネルの端で回折(曲がる)して測定点に到達する音。直接音・反射音に比べ通常、レベルは小さい。

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音源から発生した音は、天井や後壁、側壁パネルによって遮 音され、小さな回折音となる。