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ラスクを用いた音場調整例 更新日 2007/06/21
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住宅地下を利用した個人の音楽練習スタジオです。吸音、振動対策にラスクを使用しました。
音楽を演奏するだけでなく、リスニングルームとしても利用されています。

このスタジオでは、ラスクを、壁面、床面にそれぞれ46枚ずつ、計92枚用いられました。
設計段階で、設計事務所、施工業者との打ち合わせにより、仕様を決定しました。

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地下スタジオの平面図を図1に示します。図中のA部(平面)、Ⅰ(立面)、Ⅱ(床面)の詳細をそれぞれ図2〜4に示します。

スタジオの用途:
図1の右半分は、主にオーディオセットを置き、AV観賞用のスペースとし、左半分は、仲間が集まって楽器演奏を行うスペースにしたい との意向とのことでした。
施主の方は、本業の傍ら「セミプロ」的に地元を中心に各地でライブ演奏をされていると聞いております。

ラスク配置計画:
ラスクは、図1に示すように、壁は赤色の線、床は赤色の破線で囲まれた個所に配置しました。

『部屋のコーナーにラスクを設置』
設計事務所が行った音響設計に基づき吸音率を計算した結果、全周波数帯域(特に低音域)で吸音が足りず、「音のこもり」が考えられました。
『平行壁面の少なくとも一方にラスクを設置』
反射音が減衰しにくく、平行壁面のスタジオでは聞きづらい「エコー」の発生が考えられました。
『床面の剛性、制振性補強にラスクを設置』
フローリング仕上げのフリーフロアの床では、ドラムス等の床に衝撃音を与える打楽器演奏時に、床が大きく振動し、演奏者や音の響きに悪い影響を与えることが考えられました。
AV鑑賞時、壁からの一次反射の音圧を下げるためにラスクを設置。 AV鑑賞では、左右の壁の条件が異なるため、スピーカー音のバランスがよくないことが考えられました。

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考 察:

  • 設計時の室内吸音性チェックから、「鋳鉄ラスク」の他に、「ニューラスク」(主原料アルミのラスク)を壁表面(無孔シナ合板の代わり)や天井表面(吸音化粧板の代わり)に、吸音、整音の立場から提案しましたが、予算的な問題から実施できないこととなりました。提案した図面を図5に示しておきます。
  • 工事完了後、施工業者がスタジオの音響測定を実施した結果、エコーのような有害な反射音はなく、良好な仕上がりになったこと、施主さんからも気に入っていただいているとの報告を受けました。