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 ラスクホーム
ラスクを用いた防音計画例 更新日 2007/06/21
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住宅地に建つ独立棟の音楽スタジオです。
近隣に対する防音とスタジオ内音場調整をラスクを用いて設計しました。

夜間は100dB、昼間は130dBの大音量でも、音漏れを気にせず気持ちよく演奏されています。
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建 築

設  計 祥設計室
※クリックで祥設計室にリンク
構  造 鉄筋コンクリート2階建
特  徴 防音音響工事
外断熱工法




音 響

音響設計 (有)スイサク
室容積 104.2m3
表面積 130.0m2
音場調整材 アルミニューラスク(吸音)

鋳鉄ラスク(遮音・吸音・振動対策)
平均吸音率 0.23(500Hz)
残響時間 0.50秒(500Hz)
遮音性能 Dr−70

 音楽スタジオは大阪市内の住宅地にあるため、隣家への騒音の伝播防止、すなわち建物の高い遮音性能が音響設計上求められました。
 スタジオ内では、ギター、ベース、キーボード、ドラムといった大音量の主にエレキ楽器を気持ちよく演奏できるように、音場調整を行いました。




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環境基準である夜間40dB以下の騒音レベルを達成すべく、 スタジオ内の演奏音の予想レベルから、遮音基準[Dr−70」を満たすように、コンクリート外壁等の遮音壁の構造を設計しました。

下図は、スタジオ内で大音量の騒音を発生させ、スタジオの内と外(敷地境界線あたり)で測定し、その騒音のレベル差を示したグラフです。 各測定点ともに、1000Hz以上の周波数では測定不能となりました。スタジオの外で発生している騒音(生活騒音等の暗騒音)が大きく、 スタジオ内から外壁等を介して透過する騒音が特定できなかったからです。しかし、言い換えますと、 1000Hz以上の騒音は、スタジオの外においては常に発生している生活騒音よりも小さくて問題にならない、といったことになります。
測定点⑤の5000Hzにおけるレベル差は少し基準から離れていますが、この測定点付近に換気用の噴出し口があるためで、特別設計したサイレンサー(消音器)を設置して騒音低減を図った結果、これくらいに納まったといえます。敷地境界線までは距離があり、全く問題ありません。

以上のように、「Dr−70」が達成されました。

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計画されたスタジオの容積、演奏する音楽の種類等から平均吸音率を約 0.25(500Hz)と設定しました。
壁面、天井面の主な吸音材として、弊社製「アルミニューラスク」(600×300×6mm)を用い、適宜、有孔板、グラスウールを使用して、室内の吸音計画を行いました。
床面は、ドラムやアンプ、スピーカーといったものから発生する余計な振動をできる限り抑え、しっかりとした音の跳ね返りがあるように 弊社製「鋳鉄ラスク」(600×300×10mm)を用いました。

下の表は、計画時と完成後の平均吸音率と残響時間です。計画時に比べると、平均吸音率が小さくなり、従って残響時間は少し長くなりました。
スタジオ内にある配管類や演奏器材、あるいはダンスレッスン用に設置された大きな鏡等の影響の見積もり具合によるものと思われます。

測定結果 500Hz 計画時 完成時
平均吸音率 0.26 0.23
残響時間(秒) 0.43 0.50

下図はスタジオの音響設計図です。

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