騒音振動ホームへ
騒音振動
ホーム
RASK HOME
ラスクを用いた防音計画例 更新日 2007/06/21
kucyo

大学内にある合同教室では、空調機の騒音が漏れ出し、 授業にも支障をきたすとのことで、ラスクを用いて対策しました。

kucyo

kucyo

横浜女子短期大学の3階合同教室は、平面図のごとく空調機械室が教室後部席の壁に配置され、 さらに同壁面に吸気口(1800×1000mm)が開口している。吸気口の背後には吸気消音チャンバーが設置 されているが、空調機運転中は機械室から吸気口を通じて同教室に機械騒音が大きくもれ、後部座席 での講義聴取に支障を来たすほどであった。この漏洩騒音に対する対策として、遮音・吸音材「ラスク」 を適用することにした。

kucyo
kucyo

kucyo

対策方法
空調機械室の騒音は主として吸気口から同教室内に漏洩しているため、 吸気口の背後にある消音チャンバー内にて対策を講じることとする。

ラスクの設置方法
使用する材料はラスクB−6030(60×30cm)30枚で、パネルを2面つくり、図1のごとく組み立てて設置する。 第1パネルはラスクを5列3段、計15枚を密に並べ、約1500mm幅×1800mm高さの平面パネルとする。 このパネルを天井・床面及び片方側面を壁に密着させ、空調の還気流を迂回させるように、 すなわち空調機騒音が直接教室内に漏れず、必ずラスク面及びチャンバー室の内部にあたるようにする。 第2パネルはラスクを5列3段、計15枚を50mm間隔の平行線上に交互に配置し、 できたスリットを還気流が通過するようにする。

測定方法
空調ユニット吸込口の直前(消音チャンバー内No.①地点)にて空調機回送音を測定するとともに、 ラスクパネル設置前後の教室吸気口の前面(No.②地点)における騒音レベルを測り、周波数分析を行う。


kucyo

測定機器

  1. 騒音計NA-09 リオン
  2. 周波数分析計SS-30RT 三和電気計器
  3. 周波数記録計PA-30 三和電気計器
  4. 同上用インターフェイスIS-30RT 三和電気計器


kucyo

測定結果を図2(A特性)、図3(C特性)に示す。図2の周波数特性図(聴感特性)より次のことが言える。 合同教室の吸気口(図中のNo.②地点)での騒音レベルは、オールパスで11dBと大幅な騒音低下が 達成された。この結果、吸気口付近の座席においても十分講義を聴取することができるようになったと言える。 吸気口の騒音が低下した結果、改善工事以前にはマスキングされて聞こえなかった各アネモデイフユーザーからの 空気吹出音が気になるようになった。
周波数分析のグラフより全周波数にわたり顕著な騒音低下が達成されているが、 特に低い周波数範囲32〜125Hzにおいても有効な結果が出ていることは注目に値する。 厚さ10mmの薄い材料のみで中高音域の著しい吸音効果を発揮すると同時に、 低音域にてもその有効性を失わないという材料は他になく、これはラスクのみが持つ特徴である。


kucyo